フルートを始めてみたいけれど、初心者にとって楽器の選び方は悩みの種ですよね。価格がぴんきりで、どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
本記事では、初心者が楽器を選ぶ際に知っておきたい基本情報や、購入時の注意点をわかりやすく解説します。
初めてのフルート選びに役立つポイントが詰まっていますので、ぜひ参考にしてください。
- フルートの価格帯や初心者向けの選び方
- 初心者に適したフルートの材質や特徴
- 信頼できるフルートメーカーの紹介
- 楽器購入時の注意点や試奏の重要性
フルート初心者におすすめの楽器選び

フルートって高い?
フルートの値段は、初心者にとって高いと感じる場合がありますが、実際には幅広い価格帯が用意されています。安いものは2万円程度から、高価なものでは数千万円以上するものまで存在します。この価格差は、使用される素材や製造工程、ブランドによる違いから生じています。
初心者向けのフルートは、洋銀製(銀メッキ)が多く、2万円から15万円程度の価格帯で購入できます。この価格帯のフルートは、初心者が基本的な演奏技術を学ぶのに十分な品質を備えており、リーズナブルです。
一方、より良い音色を求める場合、頭部管が銀製のフルートや総銀製のモデルも検討できますが、これらは15万円以上の価格帯となるため、予算に余裕がある場合におすすめです。
購入する際は、自分の目的やどれくらい続けたいかを考えることが重要です。「とりあえず試してみたい」のか、「長く続けてしっかり練習したい」のかで、適切な価格帯の選択が変わります。また、価格だけではなく、保証やアフターサービスの充実度も考慮すると安心して購入できます。
フルートの材質と特徴
フルートの材質は音色や吹奏感に大きな影響を与えるため、選ぶ際の重要なポイントです。主に使われる材質には、洋銀、白銅、銀、ゴールド、プラチナ、木製などがあります。
- 洋銀
洋銀は銅、ニッケル、亜鉛の合金で、銀に似た外見が特徴です。価格が抑えられ、初心者向けのフルートに多く使用されます。軽い吹奏感があり、扱いやすい点が魅力です。 - 白銅
白銅も初心者向けの素材としてよく使われ、洋銀より少し柔らかな音色が出せます。しかし、耐久性では洋銀にやや劣ります。 - 銀
銀製フルートは音色が柔らかく、豊かな響きを持つのが特徴です。初心者用には頭部管のみ銀製のモデルもあり、15万円以上の価格帯で購入できます。耐久性が高く、表現力のある音色を楽しみたい方に適しています。 - ゴールド
ゴールド製フルートは重厚感のある響きと明瞭な音色が特徴です。非常に高価なため、上級者向けの選択肢になります。 - プラチナ
プラチナは銀よりも重く、深い音色が得られます。高い耐久性も持ちますが、価格が非常に高いため、プロフェッショナル向けです。 - 木製
木製フルートは温かみのある音色が特徴です。クラシック音楽や伝統音楽に使用されることが多く、扱いには繊細さが求められます。
初心者には、まず洋銀製や白銅製のフルートから始めるのが良いでしょう。価格が手頃で、楽器の扱い方や基本的な演奏技術を学ぶのに最適です。
ある程度の経験を積んだら、自分の好みや音色に合わせて銀製や総銀製のモデルを選ぶことで、よりフルートの魅力を深く楽しむことができます。
初心者に人気のフルートメーカー3選
初心者にとって、信頼できるフルートメーカーを選ぶことは重要です。以下に、特に初心者からの支持が高い3つのメーカーを紹介します。
- ヤマハ(YAMAHA)
ヤマハは日本国内外で広く知られる楽器メーカーで、初心者向けのモデルが多く、品質の安定性に定評があります。ヤマハのフルートはクセがなく、バランスの取れた音色が特徴です。価格帯は9万円代からスタートし、初心者が手を出しやすいリーズナブルなラインナップも魅力です。また、初心者向けモデルにはEメカニズムが標準装備されていることが多く、演奏の助けになります。 - パール(Pearl)
パールは初心者から上級者まで幅広い層に人気のメーカーです。特に初心者向けモデルは鳴らしやすく、柔らかい音色が特徴です。パール独自の「ピンレスメカニズム」や「一本芯金構造」により、耐久性とスムーズな演奏性を両立しています。価格はお手頃で、特に頭部管が銀製のモデルが初心者におすすめです。 - ムラマツ(Muramatsu)
ムラマツはプロにも愛用される老舗メーカーですが、初心者向けのモデルも展開しています。ムラマツのフルートは高い精度と耐久性を持ち、温かみのある音色が特徴です。価格は他メーカーと比べてやや高めですが、長期的に使用できる高品質な楽器を求める初心者には適した選択肢です。
購入時にチェックしたいフルートの仕様
フルートを購入する際、どの仕様を選ぶかが演奏のしやすさや音色に大きく影響します。以下のポイントを確認しておくことが重要です。
- 材質
フルートの材質は、音色や価格に直結します。初心者には、扱いやすくコストパフォーマンスの高い洋銀製や白銅製がおすすめです。よりリッチな音色を求める場合は、頭部管が銀製のモデルを選ぶとよいでしょう。 - Eメカニズムの有無
Eメカニズムは、フルート特有の出しにくい音(高音のE)を出しやすくする機能です。初心者向けモデルには標準装備されていることが多く、演奏のしやすさが格段に向上します。 - キイの種類(カバードキイ or リングキイ)
カバードキイは穴が完全に塞がれたキイで、初心者にも扱いやすい仕様です。一方、リングキイは穴を指で塞ぐ必要があり、音の細かなニュアンスを表現しやすい反面、習得にはやや時間がかかります。初心者にはカバードキイが無難です。 - キイ配置(オフセット or インライン)
オフセットは指が届きやすい配置で、手が小さい初心者におすすめです。インラインはキイが一直線に並び、プロフェッショナルや手が大きい人に向いています。 - 足部管の種類(C足部管 or H足部管)
C足部管は一般的な仕様で、初心者が演奏しやすい設計です。H足部管は最低音が一音低く出せるものの、管体が長くなり重くなるため、初心者には扱いが難しい場合があります。 - トーンホールの加工方法
「ドゥローン」と「ソルダード」という2種類があります。初心者向けモデルには軽量で明るい音色が特徴のドゥローンが多く採用されています。
フルート初心者におすすめ楽器

初心者向けフルートのおすすめ楽器
ヤマハ(YAMAHA)
YAMAHA / YFL-212
フルートの管体には、音が出しやすく耐久性の高い「白銅」が使用されています。白銅は銅とニッケルを組み合わせた合金で、一般の金属よりも高価で、貴金属として扱われることもあります。また、一部のモデルには銀製のリッププレートやライザーが採用されており、より豊かな響きを楽しめます。
白銅や洋銀(銅・ニッケル・亜鉛の合金)は錆びにくく、耐久性や音響特性が優れているため、フルートに最適な素材とされています。これにより、初心者から上級者まで幅広い演奏者に快適な演奏体験を提供します。
YAMAHA / YFL-412
頭部管と管体が銀製で作られているため、総銀製に近い音色が楽しめます。豊かで温かみのある響きが特徴で、音色の幅が広く、多彩な表現が可能です。繊細な演奏者のニーズにも応えられる設計となっています。
アルタス(Altus)
Altus / A807E
アルタスのエントリーモデルであるスタンダードシリーズのA807Eは、妥協を排し、高い品質へのこだわりが詰まった設計となっています。
ハンドメイドシリーズと同じ座金やキイカップ、ポイントアーム、キイメカニズムを採用しており、エントリーモデルながらも優れた品質とコストパフォーマンスを実現しています。
パール(Peral)
Pearl / PF-505E
このフルートは、手軽に始めたい初心者にぴったりのエントリーモデルです。洋銀製で音が鳴らしやすく、フルートの楽しさを手軽に体感できます。
パール独自の「一本芯金」や「ピンレス・メカニズム」といった上位モデルの技術を取り入れ、高い信頼性と耐久性を実現しています。
さらに、見た目の美しさを引き立てるポイントアームを採用し、耐久性も向上。特に、初心者が苦労しがちな3オクターブ目のE音を出しやすくするEメカニズムも標準装備しており、演奏のしやすさが魅力です。
Pearl / PF-525E
初心者向けのエントリーモデルながら、リッププレートとライザーに銀を使用することで、豊かで艶やかな音色を楽しめます。
初めての方にも吹きやすい設計であり、上位モデルと同等の高い信頼性が評価されています。さらに、この価格帯では珍しくH足部管モデルも選べる点が特徴です。
ポイントアームを採用することで耐久性が向上しており、カバードキィとリングキィのどちらも選択可能です。また、一般的に出しにくいとされる3オクターブ目のE音をサポートするEメカニズムを標準装備しています。
楽器購入時の注意点と試奏の重要性
楽器を購入する際には、いくつかの注意点を押さえておくことで、満足のいく選択ができます。また、試奏を行うことは非常に重要です。
- 試奏をすることでわかること
試奏は楽器選びの中で欠かせないプロセスです。同じモデルでも音色や吹き心地には個体差があり、自分に合った楽器を見つけるために試奏が必要です。また、試奏を通じて音のバランスや吹奏感を確認し、購入後に後悔するリスクを減らせます。初心者の場合、自分で吹くのが難しい場合は、信頼できる先生や経験者に同行をお願いしましょう。 - 楽器店での試奏のポイント
楽器店では複数のモデルを比較試奏することをおすすめします。その際、以下のポイントに注目しましょう。- 音色:明るい音が好きか、柔らかい音が好きかを確認。
- 吹奏感:息の入りやすさや、音を出すときの抵抗感をチェック。
- キイの感触:押しやすさや指の動きに合っているかを確認。
- 試奏時に注意すること
試奏は集中力が必要なので、時間をかけすぎず、自分が楽に感じる楽器を選ぶことが大切です。試奏した楽器の候補が複数ある場合は、スタッフにアドバイスを求めると良いでしょう。
- 新品と中古の選択
初心者には基本的に新品の楽器をおすすめします。中古は価格が安い場合がありますが、前の使用者の吹き癖やメカニズムの不具合がある場合も多く、初心者には扱いが難しいことがあります。新品なら保証が付いていることが多く、アフターサービスも充実しているため、安心して練習を始められます。 - 安すぎる楽器に注意
市場には1万円未満のフルートも存在しますが、この価格帯の楽器は耐久性や音程の正確さに問題があることが多いです。初心者が最初から良い音を出せず、挫折してしまう原因にもなりかねません。最低でも信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要です。 - 購入後のケアを考える
フルートは定期的なメンテナンスが必要な楽器です。購入する際に、修理や調整のサービスが受けられる楽器店を選ぶと安心です。
これらを念頭に置きながら選ぶことで、初心者でも適切な楽器を見つけやすくなります。
まとめ:フルート初心者におすすめの楽器の選び方
フルートは自分に合ったものを選ぶことで、練習がより楽しくなり、長く続けることができます。
最初の一本は慎重に選び、必要であれば専門家の意見も取り入れると安心です。
これから始めるフルート生活を、ぜひ充実したものにしてください。
記事のポイントをまとめます。
- 初心者向けのフルートは洋銀製が多く、2万~15万円程度で購入できる
- 素材によって音色や価格が大きく変わる
- 頭部管が銀製のフルートは音色が豊かで、初心者にもおすすめ
- 初心者にはカバードキイが扱いやすい
- オフセットキイは手の小さい人に適している
- 試奏をして吹奏感や音色を確認することが重要
- フルートの価格帯は数万円から数千万円まで幅広い
- 初心者には新品のフルートを選ぶのが無難
- フルートの選び方は使用目的や予算に応じて異なる
- ヤマハ、パール、ムラマツは初心者に人気のメーカー
- 安すぎるフルートは耐久性や音程に問題があることが多い
- Eメカニズムは初心者が演奏しやすい重要な仕様
- 試奏時は音のバランスや抵抗感を確認するべき
- メンテナンスや保証が充実した楽器店での購入が安心
- 初心者は洋銀製や白銅製のフルートから始めるのが適している